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蟹漬(がんづけ)
有明海に自生するシオマネキを手作業で捕まえ塩で熟成させた珍味です。
がんづけ、がんつけ、がねづけ・・・色々な呼ばれ方があります。
ちょっと驚くほどの塩味と少量を口に含んでも蟹の強いコクを感じられることから、主にご飯のおかずやお酒のアテとして食卓に。
かつて農作業の際の塩分補給にも使われていたと聞きます。
消化器に残る泥の洗浄と、肛門~消化器の一部を手作業で除去して臭みを取り除くのが重要にして重労働。
そこに塩を加えながら石臼と杵で身全体をすり潰し、最低でも3ヶ月以上の熟成工程を経たのち調味を加えて製品とします。
竹下商店ではすり潰しの強度によって2種類の製品を作り分けています。
蟹の爪がハッキリと残る「荒」はガリガリとした食感が特徴。この歯ごたえごとそのままお酒のアテとしてお楽しみください。
粉砕機の力も借りてもう少ししっかりと潰した「つぶし」は蟹の風味豊かなソースのように使うことができます。冷奴の調味料として、ポテトサラダやコロッケにちょっと足すことで味変に、オイルでのばして風味づけなど。
シオマネキの収穫期は7月~10月と、専業にするにはあまりに短い期間です。
さらに干潮かつ日照のある時間帯にしかカニ捕りに適しません。
子供の頃に会得した遊びとして、また農閑期の余技としてカニ捕りを行ってくれている皆さんの高齢化が進む一方、技術継承も進んでいないこともあり原料が非常に希少なものとなりつつあります。
現在、私も師匠に弟子入りしてカニ捕りの修行中です。
こんな蟹漬のことをブログ記事にしました。
お取り扱いくださっている住吉酒販 さんのブログでカニ捕りの様子をレポートしていただきました。
マンガ家・大石まさる先生に郷土珍味・蟹漬がある佐賀の風景のことをマンガにしていただきました。